鬼滅の刃/呪術廻戦は何故売れた?

前回は、キャラクターが状況説明することの効果について
キャラクターが自問自答するというシーンについて考えてみた。

今回は、異なる状況説明の方法を見て
その効果について考えようと思う

本編

今回は呪術廻戦から具体例を取り上げてみよう

【呪術廻戦アニメ2話から 五条先生と虎杖の会話】

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五条「死刑は死刑でも執行猶予がついた」

虎杖「執行猶予?今すぐじゃねぇってことか」

五条「そ、一から説明するね。」

スクナの指を取り出す

五条「これは君が食べた呪物と同じものだ。全部で20本、うちではそのうちの6本を保有している。」

虎杖「20本?あー、手足で?」

五条「いや、スクナは腕が4本あるんだ」

続く

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ここは、五条先生が虎杖に、スクナとその指について説明を行なっている場面である。

この状況説明の状態としては

ひとりのキャラクターが他のキャラクターに説明する

というものである。

この場面、あなた(読者、視聴者)は

どのような気持ちで見たり聴いたりしているだろうか?


ほとんどの人が虎杖の視点にたって、五条先生の説明を理解しようとする『生徒』になっていないだろうか?

(虎杖のセリフを見ても読者と視聴者が疑問を抱きそうな点を質問していることが、さらにそうさせていると感じる)


キャラクターがキャラクターに対して説明を行うという状況説明には、筆者と読者との間に「先生と生徒」の関係を築き上げるという効果があることが分かって頂けると思う

そしてこの「先生と生徒」の関係は

生徒側のキャラには

親近感

先生側のキャラには

憧れ・尊敬

をそれぞれ抱きやすくなり、キャラクターに愛情が生まれるきっかけになると考えられる。

そして愛情が生まれることで、キャラクターのグッズなどが出た時に、愛情からくる「買ってあげたい!」という種類の購買意欲が生まれてくると考えられる。

つまり、キャラクターがキャラクターに状況説明をするという行為には、グッズの販売意欲を掻き立てるという効果もあると考える。

まとめ

キャラクターがキャラクターに説明する効果

・「先生と生徒」の関係による親近感や尊敬の感情を生み出す

次回は、戦闘中に状況説明をいれることの効果について考えようと思う(最終回の予定)

余談

鬼滅の刃のほうでは、「先生と生徒」の関係が「師匠と弟子」の関係に置き換わっていたり、炭治郎が伊之助に教えたり、逆に教えられたりと多様な形式で行われていると感じる。

呪術廻戦のほうでは、伊地知さんの登場からは、彼が読者・視聴者に対して説明を行う場面が多く見られるが、
彼の説明は戦闘シーンに用いられていることが多いので、これは戦闘の流れを崩さないために挿入されていると考えている。

buruton【哲学/ファシリテーター】アイデアのホームセンターを目指して活動してます。note記事:『新しい職業作ります』にて、活動方針記載中