鬼滅の刃/呪術廻戦はなぜ売れた?

鬼滅の刃呪術廻戦が売れる要因のひとつとして

「キャラクターが状況説明を行なっている」

ことを挙げさせてもらった。

今回は、鬼滅の刃の具体例な場面を取り上げて、キャラクターによる状況説明の効果について解説しようと思う。

さっそく鬼滅の刃の主人公の竈門炭治郎のあるシーンをみてみよう。


【アニメ第2話より】

炭治郎が鱗滝さんにつれられ
山を降りる修行を始めた場面…

炭治郎「夜が明けるまでに戻ればいいんだな。鱗滝さんのにおいはもう覚えた」

山を下り始め、罠にかかる炭治郎

「石っ」、「落とし穴」、「なるほど、仕掛けがある、そういうことか」

ここで状況を理解し、分析を始める炭治郎

「まずい、まずい、まずい。この調子で罠にかかっていたら、朝までに山を降りられない。」

さらに続けて

「それにこの山、この山は空気が薄いんだ。俺の住んでた山よりもはるかに薄い。だから、こんなに息が苦しくてクラクラするんだ。」

「戻れるだろうか?失神するかも。いや戻るんだ、呼吸を整えて、罠の匂いを嗅ぎ分けろ」

順調に山を下りだす炭治郎

「よし、分かる、分かるぞ。人の手で仕掛けられた罠はやっぱり匂いが違う。」

しかし、再び罠にかかってしまう

「だからって、それを全部回避できるほど急に身体能力が高くなったりはしない」

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このシーン、セリフを書き出すだけでも、どのような状況で炭治郎が行動しているのかが分かってもらえるだろう。

さらに、炭治郎は自ら状況を理解し説明することに加えて、状況分析も行なっている。

この状況分析により炭治郎が次に起こす行動の意図が分かるようになっている。

このシーンのように、炭治郎は自問自答しながら戦闘や行動を行うという特徴があり、自問自答が状況説明になっているパターンが多い。

ここからは、自問自答の効果について考える。

自問自答は言葉通り、自分で問いかけ自分で答えを出す行為である。

これにより、読者や視聴者はキャラクターがどうやって戦うのか、何故その行為を行うのかを、言葉をそのまま受け取るだけで理解できるようになる。

そして、漫画を読む手を止めたり、アニメを一時停止したりということがなくなる。

その結果として、漫画やアニメのテンポが崩れにくくなるという効果があると考えている。

つまり、キャラクターの自問自答が、漫画の読みやすさ・アニメの見やすさを生み出しているのである。

今まで漫画やアニメに馴染みのなかった人々でもすんなりと漫画やアニメを受け入れられることに繋がり、ヒットしたのではないかと私は考えている。

キャラクターによる状況説明の効果

・自問自答により内容理解によるストーリーのテンポを崩しにくい